7
芝生に行くと先客がいたのか銀髪が一人…坂田だ。
寝ているようだ 近くに寄り髪を触ると擽ったいのか身を捩る
するとスッと瞼の下にある赤い瞳が現れた
「俺あんま髪触られるの好きじゃねぇんだけど?」
奴は上半身だけ起き上げ、欠伸と伸びを一つ。
俺は驚きと後退りを一つずつ。
「触って悪かった…ただ綺麗で柔らかそうだから触っただけなんだ」
もう一度謝ると解ってくれたのか笑顔を一つ見せた。
死んだ魚の目をしてボーっとしてるくせにそんな顔も出来るんだな…
「そっか…本当にテメェだけだよ。そ んな事言う奴は…有り難う」
嬉しそうにまた笑う。
だがすぐに何かを思い出し、目を伏せる
「俺、昔ジャンキーが嫌いでよ。よく新米ジャンキー達に走りもそうだったけど
髪についても馬鹿にされて一時期それが嫌で黒く染めたらオヤジに怒られてよ。
その髪は自分と同じ龍の髪だから誇りに思えってさ。
当時オヤジが最強の龍と慕われる前の事…よっぽど自信があっるのかと思った。
だけどオヤジは本当は自信がないただの鯉だったんだ。
龍にもなりたい訳でもなかったんだ。
全部俺がこの髪で馬鹿にされないようにただそれの為だったんだ」
そして間もなくして俺のオヤジは最強の名を手に入れた。
喜びに満ち溢れていた俺とオヤジの間に事件が起きたんだ」
そう…最強の龍も終焉を迎えたのだ
鯉が滝登りを成功し、龍になり卵を生み落とした後の運命のように・・・
サージメントの上層部が最強の龍の危険情報を手に入れたのだ
サージメントは 最強の龍にその情報により処罰を与えた。
2週間の停運…だが奴はその処罰を無視し、マシンを動かした
それを待ってたのかのようにサージメントが動き、マシンを止めた
だがマシンは止まらず暴走。
運転席に居た奴はドアを開け、谷底へ…そして車は 独りでに暴走し谷底へ落ち、炎上した
その後調査に寄ると死体も残っておらず謎に包まれたまま、数年後にはないもの
となってしまった。
最強の龍は伝説の龍へとなった サージメントファイル15975にそう記録が残っている
俺が回想に走っている途中、坂田が 自分の胸ポケットから飴を取り出し、口の中に放った
「当時俺はジュニアと呼ばれて有名だったがオヤジの事件がショックで
俺はマシ ンも動かそうとも思わなかったんだ…けど高杉に見せて貰ったジャンキー雑誌で
黒龍をみて大切な事を思い出したんだ」
黒龍を…ねぇ…
「そして、あいつに命を吹き込んでもらったんだ。お陰で今の俺がいる。」
………
「今日の勝負でまたあいつに生かされるか…返さなくっちゃいけなくなるか解ら
ないけど」
…………
「持ってる力をフルにぶつけてレースに出たいと思う。」
坂田が立ち上がり、瞳に俺を映した。 迷いのない、情熱に燃えた目だった
あぁ…そうか…
だからこんな腑抜けた奴が色んな奴等に慕われ、好かれているのか。
そして俺がコイツに惹かれた理由も…
「その…お前は昨日、マシンに乗ってる俺が………好きだって言ってたけど…
も し、俺が今夜黒龍の勝負に負けても…好きでいてほしい…一人の坂田銀時として」
光を浴びてキラキラしている頭を抱き寄せたが俺は何も答えられなかった。